- 全てを作り替えるのではなく、家族の思い出を残し、新しい世代へと受け継いでいく。忘れかけていたものを思い出させてくれました。
- 今までは部屋数が多く、細かく分かれ使い方が限られていました。個室が大切だった間取りから家族が自然に集まれる場所を目指しました。
- ご家族の想いを大切に、こだわるところはとことんこだわりました。これから先の暮らしに対応できる、開放的でゆとりのある家づくり。これからも長く住まえる家が実現しました。
梁、裄、柱、屋根はそのままで、
フレンチカントリーの家に着替えました。
2008年9月、築45年の和風の家を思い切ってリフォームしたO邸です。それがフレンチカントリー風のおしゃれなこの住まい。リフォームでここまでがらりと、家を着替えられるというお手本のようです。
「この家は、大工だった主人の父が家族のために建てた家。その義父も他界し、義母と共に家族の想い出がいっぱい刻み込まれた家で暮らそうと決意しました。だから、すべてを作り替えるのではなく、梁や桁、柱、屋根などは補強を加えながら生かして貰った。夫からすると、父親に見守られているような気持ちがあるんじゃないでしょうか」と奥様は言います。工事の際、耐震の診断をしながら必要な補強対策をして、耐震強度をレベルアップ。シロアリ対策も施すなど、安心して住み継いでいただけるリ・ライフです。
「フレンチカントリーの家は妻の夢でした。長年苦労をかけて来た妻にも感謝の気持ちを伝えたい。だから、妻の夢やこだわりを一つ一つ実現し、それを父の思い、母の思いで包み込むような家にしました」とOさん。
子どもたちも独立して、家族も一区切り。
よい機会のリフォームだったと思う。
リフォームをきっかけに、奥様がしたのは三十数年分貯まった家族の想い出の品々や使わなくなった食器、家具などを整理することでした。「子どもたちが独立した今だからこそ処分できるモノがあるし、今これをしておかないと、すっきり片付いた暮らしはできないから。これでいつ誰が訪ねてきても恥ずかしくない。そういう意味ではよい機会のリフォームだったと思うし、家族の一つの区切りかな」と奥様。
リフォーム前は小さい部屋が4つと台所があった1階は、オープンなDKリビングに。リビングの脇には、厳選してそれでも残しておきたかった家族の想い出の品々や家具を置くための収納部屋を一つ用意。キッチンの横には階段下を利用したパントリーを確保して、できるだけ生活感のでない収納の工夫をしています。「思い切って、リフォームして本当に良かった。大好きなソーイングをしたり、ガーデニングをしたりして、今はもう、どこにも出かけたくないといった感じ。主人には感謝しています。その主人にとっても帰りたくなる家になっているみたいで、ほとんど外に飲みに行かなくなりましたね。ソファではなく、床にごろんと寝転んでいる夫の姿はとても和風ですけれど(笑)」。大人だけの暮らしのO邸です。
同居していた頃は、この2階がOさん一家の住エリアでした。今は縫い物が好きな奥様のアトリエやご夫婦の寝室、クローゼットとして使っています。どの部屋も全体的にシンプルで淡くて、透明感のある印象です。
ちゃんとこだわりを持ってリフォームすれば、洗濯室に至るまで、自分のスタイルで貫けるというお手本のよう。トイレもサニタリーもリフォーム前と同じ位置です。
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リビングダイニング
しきりをなくした、ひとづづきの空間だから、常に家族の気配を感じられます。日々の生活の中で、自然と一緒に時間が過ごせる空間。そんな住まいが絆を深め、毎日を豊かにしていきます。
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ワークスペース
キッチン横につくった奥様のスペース。ご家族の存在を感じながら趣味の物を作ったり、お料理の研究ができます。
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オープンキッチン
今までの、家族に背を向けた一人だけの料理の時間から家族の時間に。キッチンをただ料理をする場所から開放しました。
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クロークルーム
日々過ごす場所をなるだけ広く取るために、クロークルームの中も物を沢山しまえるよう、棚を作りました。
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テラスリビング
外を眺めながらゆっくりお茶を飲む。子どもが帰ってきたらバーベキュー。そんなゆとりが生まれる場所提案です。
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大切なものに囲まれて暮らす
空間の隅々まで奥様のこだわりが行き届いています。まだまだこうしたいという部分をあえて残し、暮らしながら自分で少しずつ手を入れていくとのこと。奥様の趣味を生かした、長く住まえる家になりました。