お知らせ

2021年6月はiyota・伊与田ゆかりさん

6月のコーディネートを手がけてくださったのは、ドレス・ジュエリーデザイナーの伊与田ゆかりさん @___iyota___

インテリアとは異なる世界にいらっしゃる伊与田さんにお願いしたのは、アトリエとご自宅がとっても素敵だったから。

今回はその空間をそのまま運んできたようなコーデとなりました。

まず、注目したいのはインパクトのあるポスターを中心としたコーデ。スペインで購入したという黒い額縁付きのポスターはご自宅でも実際に飾られているものです。

「もともとシンプルなラインが好きなのですが、このポスターはスカッとシンプルに主張がある感じが気に入っています。色味的にもこちらの空間に合っていたので持ってきました」

一緒に飾られている外国の切手が入った小さな額は、じつは保育園のバザーで購入したものなのだそう。「お気に入りのものと、どこで出会うか分かりませんよね」と伊与田さんは笑います。

「ずっと欲しかったもので、今回の展示をきっかけに買おうと思いました」というのは、黒い金属製の小物入れ。何を入れますか?とたずねると「石ころが好きなので、置いてみようかな」と意外な答えにふたたび笑いました。

また、空間のなかでもっとも目を引くのは一枚のドレスを中心に広がるエリア。伊与田さんのドレス・ジュエリーデザイナーとしての顔が垣間見られるコーデです。

白いドレスは数十年前に作られたであろう年代物で、ふだんは伊与田さんのアトリエで大切に保管されています。

「このドレスはヨーロッパへ古着の買い付けに行っている知人が『これ好きでしょ?』とプレゼントしてくださったもので、私がドレスを制作しているなかでリラックスしたくなったときに眺めるものなんです。形はシンプルですけど、とても細かい縫製をしていてこだわりを感じますし、この時代に作られたドレスは量産したものではなく、このドレスを着る人のために作られたものなんですね。昔の人が一針一針、その人のことを想って縫っていたんだと考えると、煮詰まっていた頭がリセットされる気がします」

そういって生地に入った縫製を愛おしそうに見つめる伊与田さん。派手さはなく経年による小さな傷みもありますが、長いあいだ愛され続けているドレスからは凜とした美しさが漂っています。

最後に伊与田さんに暮らしのインテリアで大事にしていることをうかがいました。

「家で過ごす時間が増えて、家に置くものについて“なんでもいい”ではなくなってきたと思うんです。“とりあえず”でものを揃えるのではなく、そばにいて心地良く、一緒に歳を重ねていきたいものを少しずつ見つけていけたら良いなと思います。

ドレスも同じですが、時間をかけてものと向き合うことは、とても贅沢なことなんですよね。家のなかにもそういうものや場所が増えたら、暮らしが豊かになると思います」

 

大切にされてきたものと、大切にしていきたいものが生み出す奥ゆかしくもスタイリッシュな空間。ぜひみなさんもご体感ください。伊与田さん、ありがとうございました!