ヤマモトダイゴさんinterview①
「展覧会で大切にしていること」
昨年はコロナ禍で展覧会を自粛していたダイゴさんですが、今年は4月のcafe la famille(茨城)を皮切りに、7月はギャラリー水犀mizusai(東京)、10月はiibagallery(神戸)で…と精力的に展覧会を行っています。
そんな“展覧会と展覧会のあいだ”にいるダイゴさんに、「展覧会で大切にしていること」をたずねました。すると、ちょっと意外な答えが返ってきました。
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展覧会で大切にしているのは、作品の数です。
展覧会を行うとき、僕はできるだけ多くの作品をつくるようにしています。それは自分を追い込むことになるんだけど、「いい展覧会」にするためには、やらなきゃいけないんです。
「いい展覧会」というのは、お客さんがどの絵を選ぶか、たくさん悩んでくれること。それはつまり「作品と真剣に向き合ってくれている」ということでもあります。
僕の作品は色、大きさ、形、そのどれも違うから、お客さんは頭の中に自分の暮らしを思い浮かべて、パズルみたいに組み合わせながら、どの絵がいいか考えるんです。それが人それぞれに異なるので、会場の中のあっちでもこっちでも発生すると、展覧会という“場”が出来上がるんです。そのためにも、僕の場合は「作品の数」がほしいわけです。
世の中で「絵を買う人」は圧倒的に少ないですが、僕の展覧会で「初めて絵を買う」という人は多いです。その人が初めて真剣に絵と向き合う“スイッチ”を入れられたことは、作家冥利につきますよ。僕が展覧会をする目標はそこなのかもしれない。
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ダイゴさんは展覧会で初めて会ったお客さんでも「この人はこの絵を選ぶだろう」ということが直感的に分かるそうです。
でも、ダイゴさんから絵を薦めたりすることはありません。それはお客さんも、絵にとことん向き合ってほしいから。まるでダイゴさん自身が絵と向き合ったのと同じように…。
展覧会とは、作家さんと作品を見る私たちが同じ温度になる場なんだな、と思いました。
【ダイゴさんのインタビュー】
ヤマモトダイゴさんinterview②「絵はどこから生まれるのか」